開演時刻より早く、バンドメンバー4人がおもむろにステージに姿を現し、サウンドチェックを兼ねたセッションが始まる。そのグルーヴに早くもカラダを揺らし始めるオーディエンス。セッションは約4分ほど続き、一旦全員がステージ袖に引き上げる。
そしてひと呼吸おいた後、今度はUAを含む5人が登場し、いよいよFISHMANS:UAのライブがスタート。メンバーは茂木欣一(Dr)、柏原譲(B)、木暮晋也(G)、HAKASE-SUN(Key)、そしてUA(Vo)という最強の布陣だ。観客が固唾をのんで見守る中で始まった1曲目はFISHMANSの名曲「すばらしくてNICE CHOICE」。富士山をバックに鳴り響くそのダビーなサウンドは、まさにFISHMANSそのもの。UAの力強い歌声に茂木欣一のコーラスが重なり、広大な野外空間はあっという間に圧倒的な音の波で満たされていく。
続いて披露されたのは「雲がちぎれる時」。もともとこのライブではFISHMANSとUAそれぞれの楽曲を演奏するというアナウンスはされていたが、UAのオリジナル曲としておなじみのこの曲が、ダイナミックな演奏で「FISHMANS:UA」の楽曲として生まれ変わる姿は圧巻。その貴重な瞬間を、その場に集まった多くのオーディエンスが全身で味わっていた。
UAの「おおきに」という挨拶をはさんで、3曲目は「頼りない天使」。HAKASE-SUNのシンセサイザーの音色と、木暮晋也のスライドギターが夕暮れの山中湖畔を柔らかな色合いに染めていく。そして、茂木の「OK!NEXT SONG!」の掛け声が「WALKING IN THE RHYTHM」のイントロを呼び寄せる。周囲が徐々に薄暗くなる中、盟友エンジニアZAKの手腕も冴え渡り、その音像はさらに深く強くオーディエンスの胸に迫っていく。
「じゃあ暗くなったところで、マジックタイム。皆さんもいっしょにお声を出してください」とUAがコーラスを促し、続いてはUAのアルバム「Golden green」収録の「Paradise Alley / Ginga cafe」を披露。そして「あっという間にあっという間の時間は過ぎますね。じゃあみんなでクルージングしていきましょう」というUAの言葉に観客は大きく沸き、演奏されたラストナンバーはもちろん「ナイトクルージング」。幻想的な照明に彩られ、13年前の名曲は新たな息吹を獲得。茂木欣一によるメンバー紹介を最後に、約40分間のステージは幕を閉じた。
佐藤伸治の他界後10年を経ても、多くのファンからいまだ根強い支持を集め続けるFISHMANS。ボーカリストにUAを迎えて6月からリハーサルを繰り返していたというこのバンドは、単なるバンド+ゲストボーカルという枠を超えた「FISHMANS:UA」としての個性を手に入れていた。今後このメンバーでの活動の予定は発表されていないが、一度だけで終わらせるのはもったいない、素晴らしいステージだった。
M-1.すばらしくてNICE CHOICE
M-2.雲がちぎれる時
M-3.頼りない天使
M-4.WALKING IN THE RHYTHM
M-5.Paradise Alley / Ginga café
M-6.ナイトクルージング

