ギラギラとした太陽が照りつけるLAKESIDE STAGE前には「SWEET LOVE SHOWER」に5年ぶりの登場となるマキシマム ザ ホルモンのステージを体感しようと、早くから多数のオーディエンスが集結。最新アルバム「予襲復讐」を携えてのライブとあってファンの期待値も自ずと高まっていく。
怒号のような歓声に出迎えられた4人は、いきなり「握れっっ!!」をお見舞い。ヘッドバンギングで盛り上がる観客を前に、ダイスケはん(キャーキャーうるさい方)は激しくシャウトし、マキシマムザ亮君(歌と6弦と弟)と上ちゃん(4弦)はジャンプしながら楽器を奏でる。そのまま次の曲へ、と誰もが思っていた瞬間、ダイスケはんがいきなり「また来年山中湖で会いましょう!」と締めの挨拶をし、戸惑う観客を横目に男性メンバー3名は退場してしまう。残されたナヲ(ドラムと女声と姉)は「まだ1曲しかやってない! 5年ぶりなのにセットリスト間違えてる!」と怒りの表情。観客に「ガッツだぜ!」コールを求め、3人を呼び戻して強制的にライブを再開させた。
コントさながらの演出にオーディエンスが沸き立つ中「『F』」が投下されると、砂埃が高く舞い上がり、地面が激しく揺れまくる。「6年ぶりのアルバムを引っさげて山中湖に帰ってきました! 砂埃にまみれて踊りきれますか?」というダイスケはんの煽りを受けてバンドがぶちかましたのは「便所サンダルダンス」。ホルモン流のダンスチューンを浴びて腹ペコたちのテンションは天井知らずに上がり続け、フィールドはすさまじい熱気に包まれた。
MCでナヲは「ほらね晴れたじゃん。雨降んなきゃいいなと思いましたが、こんなに暑いなんて聞いてないから! 5年前は土砂降りでしたから。でも5年も経つとね、さわやかな青年たちがいっぱいいて。ONE OK ROCKとか[Champagne]とか。だから若いヤツの空気吸ったろと思いまして」とビニール袋にドラムセット周辺の空気を入れ、「これを物販で売ります! スタッフー!」と叫ぶ。するとスタッフではなくONE OK ROCKのTaka(Vo)がファブリーズを持ってステージ袖から登場。臭い消しとばかりにダイスケはんに吹きかけると、フィールドは大爆笑に包まれた。続けてナヲは「暑いですけど、臭いですけど、いけますか?」と絶叫する。しかしその直後にベースの機材トラブルが発覚し、ライブ中断を余儀なくされる事態に。だがナヲとダイスケはんはアクシデントに動じることなく「モンスターロック」でもおなじみのトークスキルで観客を楽しませた。
無事機材のコンディションも戻ったところで、4人は「maximum the hormone」「ビキニ・スポーツ・ポンチン」を連発。この時点で持ち時間は過ぎていたが、ステージ袖にいた細美武士(the HIATUS)の承諾を受けライブはそのまま続行となった。「恋のスペルマ」の前には、この日のトリを務めるにも関わらず時間オーバーを許してくれた細美への感謝を伝えるように「細美さんの言うことは絶対!」という言葉にあわせてオーディエンスが一斉にジャンプする一幕も。こうしてマキシマム ザ ホルモンのステージはトラブルをものともしないコッテリなパフォーマンスで、壮絶な盛り上がりの中フィナーレを迎えた。
セットリスト
01. 握れっっ!!
02. 「F」
03. 便所サンダルダンス
04. maximum the hormone
05. ビキニ・スポーツ・ポンチン
06. 恋のスペルマ
photo by 浜野カズシ