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ライブレポート

SWEET LOVE SHOWER 2022 LIVE REPORTS

スペースシャワーTVの主催フェス『SWEET LOVE SHOWER 2022』が8月26・27・28日、山中湖交流プラザ きららにて開催された。

1996年に日比谷野外音楽堂からスタート、"ラブシャ"の愛称でロックファンから親しまれてきたフェスだが、新型コロナウイルスによる感染症拡大の影響により、2020年には有観客での開催を断念し、オンラインイベント『SPACE SHOWER SWEET LOVE SHARE supported by au 5G LIVE』を開催。2021年に再び開催を試みるも残念ながら叶わず、2022年、有観客でのフェス開催が3年ぶりに実現した。

体調不良やコロナ陽性判明により、ハンブレッダーズと [Alexandros]の2組は特別編成で舞台に立ち、Dragon Ash、10-FEET、MAN WITH A MISSION、中村佳穂の4組はキャンセルとなるも、スペースシャワーTVに長年縁のあるアルカラ、THE BAWDIES、キュウソネコカミ、小原綾斗とフランチャイズオーナーがサポート出演し、計54組が出演した『SWEET LOVE SHOWER 2022』。

湖畔を望むLAKESIDEステージのトップバッターとして剥き出しのサウンドを鳴らしたのはMy Hair is Badで、「今日一日のアンセムになりますように」と最新作からの「歓声をさがして」でオーディエンスを送り出した。

アーティストの真後ろに富士山が見えるMt.FUJIステージにはgo!go!vanillasが登場。前のめりに転がるサウンドと鮮やかなコーラスワークで、大自然の中、聴く人の心を開放させた。

同じくMt.FUJIステージに出演のORANGE RANGEは「イケナイ太陽」「以心電信」といったヒット曲から最新曲まで披露。場を大いに盛り上げ、夏の代名詞としての存在感を輝かせた。

緑に囲まれたロケーションのFORESTステージには初出演の秋山黄色。目の前の人をまっすぐ捉え、熱量高く歌い鳴らすロック魂溢れるライブは、初めて観たオーディエンスの記憶に強く残ったことだろう。

初日のトリを務めたTHE ORAL CIGARETTESは、最新曲「BUG」や初期のバラード「エイミー」、SKY-HIとのコラボなどを披露。初出演の10年前から続く『SWEET LOVE SHOWER』との物語を愛情に満ちた演奏に結実させた。

2日目に入り、「ただいまとありがとうとおかえりが入り混じっていい感じです」と語ったのは04 Limited Sazabys。スペースシャワーTVとの深い関係性からもはや "ホーム"に近い感覚だという彼らが熱い演奏を繰り広げた数分後には、今年初出演のBREIMENが登場。世間話の延長線上のようなテンションで、音楽で自由に遊ぶメンバーの奏でるメロディやリズムが有機的に絡み、観客のこともまた自由にさせていった。

一方、デビュー30周年のウルフルズは、キャリアの厚みを感じさせるサウンドを豪快に鳴らす。「バンザイ〜好きでよかった〜」の歌い出し、トータス松本の「イェーイ」一発で大勢の観客の心を掴んでしまうのがさすがだ。

そして東京スカパラダイスオーケストラのステージには、[Alexandros]の川上洋平、YOASOBIのikura(幾田りら) がスペシャルゲストとして登場。この日ならではの特別なコラボで会場を沸かせた。

2日目のトリを務めたのは[Alexandros]。急遽普段とは異なる編成での出演となったものの、最新アルバム曲を中心にアグレッシブなライブを繰り広げ、「ワタリドリ」で締め括った。

最終日には今年初出演の緑黄色社会が登場。「Mela!」をはじめとしたポップソングをいきいきと鳴らし、満場の観客を躍動させる様にこの3年でのバンドの躍進を見た。

同じくVaundyも今年初出演。生バンドのグルーヴィーな演奏に乗せて「踊り子」「怪獣の花唄」など8曲を披露する大盤振る舞いで、時には自由に踊り、時には身を屈めながらパワフルに歌う姿が印象に残った。

TAIKING(Suchmos)は、フェス初出演の女優・土屋太鳳と共演。2人で一緒に歌詞を書いたという新曲「Rules feat. 土屋太鳳」を初披露し、リラクシーな音像に乗せてしっとりとした歌声を響かせた。

初出演にして大勢の観客を呼び込んだYOASOBIは「夜に駆ける」からスタート。ikuraの純度の高い歌声と自由自在なサウンド、全面LEDのステージセットを活かした光の演出で広い空間を自分たちの色に染めた。

そして3日目のトリ、レキシのライブによって『SWEET LOVE SHOWER 2022』は締め括られた。レキシは、"ヤマサキ春の藩まつり"ことキュウソネコカミのヤマサキセイヤとコラボした「KMTR645」など6曲を披露。音楽愛とユーモアに満ちた演奏、そして観客の持つ光る稲穂が揺れるユニークな光景で3日間のラストを彩った。

TEXT:蜂須賀ちなみ
PHOTO:AZUSA TAKADA、岸田哲平、関口佳代、中河原理英

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