夜の湖畔にスカパラが届けた、最強の祝祭空間
やはり夏フェスにはこの男たちが欠かせない!「SWEET LOVE SHOWER 2008」初日のラストを飾ったのはキング・オブ・フェスティバル、東京スカパラダイスオーケストラ。この日の最後のステージにもかかわらず、天候はあいにくの小雨模様。憂鬱な雰囲気を払しょくするようにライブ直前のサウンドチェックではメンバーが「崖の上のポニョ」のメロディを奏で、そのサービス精神に集まった観客からは笑いが起きていた。
茂木欣一(Dr)の鋭いビートからスタートした「(We Know It's) All or nothing」で、パーティーは幕を開けた。待ってました、とばかりに激しいスカダンスでオーディエンスが彼らの勢いに応えていく。続く「TONGUES OF FIRE」でも全員が手拍子を打ち鳴らし、まさにステージとフィールドが戦うようにお互いの思いをぶつけ合っている。
「今日はいい感じだね!相当マイナスイオンな感じだね(笑)終わり気持ちよくぶっ飛ばしていこう!」という谷中敦(B.Sax)のMCに続き、世界を魅了するスカパラサウンドが続々と繰り出される。誰もがご存じ「ルパン三世'78」が鳴り響くと、湖畔の地面は大きく揺れる。沖祐市(Key)の豪快なオルガンソロは、この曲に新たな味わいを与えていた。
いつもなら個性豊かなMCでオーディエンスをなごませる茂木が、真剣な表情で叩き出すドラムソロは「Perfect Future」の始まりの合図。大人の男たちだからこそ生み出せるセクシーでスリリングなサウンドが、お祭り気分のフィールドを緊張感に満ちた雰囲気に変える。そして加藤隆志(G)のシャウトから始まった「White Light」で、会場は再び巨大なダンス空間に。ラストを飾った「Pride Of Lions」では加藤がボーカルを取り、「Share a dream with us」という歌詞どおりの一体感が会場を包み込んだ。
熱烈なアンコールに応え、メンバーは再びステージに登場。ラストを気持ちよく締めくくれるよう天が味方したのか、ようやく雨が上がった湖畔に最後に響いたナンバーは「Come On!」。ステージ上の9人も、フィールドを埋め尽くしたオーディエンスも全員笑顔。何もかも忘れて音に身を任せることの楽しさを、改めて実感させるステージとなった。
この夏は全国ツアー終了直後にメンバー・冷牟田竜之が脱退するという衝撃的な出来事が起き、メンバーにとってもファンにとっても決して楽しいばかりの日々ではなかったはず。だが、幾多の困難を乗り越えて「戦うように楽しむこと」の大切さを勝ち得てきた彼らが夏の終わりの山中湖畔に届けたのは、すべての人々の魂を救済するような圧倒的な祝祭空間だった。
M-1.(We Know it's)All or nothing
M-2.TONGUES OF FIRE
M-3.A Song For Athletes
M-4.964スピードスター
M-5.ルパン三世'78
M-6.Perfect Future
M-7.White Light
M-8.Pride Of Lions
EN1.Come On!