SPACE SHOWER TV 25TH ANNIVERSARY SWEET LOVE SHOWER 2014

2014.8.29Fri 8.30Sat 8.31Sun 会場 山梨県 山中湖交流プラザ きらら

LIVE REPORT

斉藤和義

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斉藤和義が「SWEET LOVE SHOWER」に出演するのはこれが初めて。ハットを被り、黒いジャンパーにタイトな黒ボトムというクールな出で立ちでLAKESIDE STAGEに現れた"せっちゃん"こと斉藤は、手始めに「やさしくなりたい」を観客に届けた。あの印象的なギターのイントロが響くと同時に観衆は大きな歓声を上げ、次の「月光」でも斉藤らしい硬派なロックを全身で堪能する。

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男性も女性も観惚れるような曲中の雰囲気とは反対に、話し始めると「イエーイ。こんにちはー」とゆるいテンションを見せ、「ラブシャワーって、エロいですね」とエロトークも忘れずに挟み込むのがせっちゃん流。音楽好きのオーディエンスにそんな二面性を愛されている彼は、続けて「I Love Me」「Hello! Everybody!」と正統派ロックンロールナンバーをシンプルに聴かせた。

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後半は、この日同じLAKESIDE STAGEに出演したThe Birthdayのフジイケンジ(G)を含む4人のバンドメンバーを紹介した上で、代表曲のひとつ「ずっと好きだった」を演奏。人気ナンバーの応酬で喜ぶ来場者へ、斉藤は最後に「歩いて帰ろう」を贈って初SLSのステージを完遂した。

セットリスト

01. やさしくなりたい
02. 月光
03. I Love Me
04. Hello! Everybody!
05. ずっと好きだった
06. 歩いて帰ろう

ハナレグミ

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3日間のイベントもいよいよ終盤戦に入り、Mt.FUJI STAGEではハナレグミがリラックスムードあふれるステージを展開した。

この日、ハナレグミをサポートしたのは伊藤大地(Dr / SAKEROCK)、原田郁子(Key / クラムボン)、真船勝博(B / FLOWER FLOWER)の3人。小走りでステージに駆け込んできた永積崇は「大安」をゆったりと歌い上げ、その朗らかな声で観客の心を晴れやかにしていく。

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「なんてこったい! みんないい顔してるじゃないかい。まるでここはオアシスじゃないか」。そんな言葉から続いた「オアシス」では、南国を想起させるトロピカルなリズムによってフィールドに漂う"オアシス感"が倍増。「音タイム」では真船と郁子のコーラスも心地よく広がり、柔らかなひとときが紡がれた。

そして徐々に暗くなり始めた会場には、永積のリバーブがかかった声と真船のダビーなベースが光る「オハナレゲエ」、夏の終わりを惜しむように奏でられた「サヨナラCOLOR」が響く。永積の味わいのある歌声に誰もが聴き入り、曲が終わると穏やかな拍手を送った。

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なお、サウンドチェック中に永積が即興で「お天道さん、お天道さん、もうちょい雨降らすの待っとくれ」と歌ったのが功を成したのかライブ中に雨は降らず、観客は存分に彼の歌を満喫した模様。「明日天気になれ」で大団円を迎えたライブアクトのあと、Mt.FUJI STAGE一帯にはただただ幸せな空気だけが漂っていた。

セットリスト

01. 大安
02. オアシス
03. 音タイム
04. オハナレゲエ
05. サヨナラCOLOR
06. 明日天気になれ

KEYTALK

FOREST STAGEに大勢の人が集まってきた。彼らのお目当てのアクトは今回が「SWEET LOVE SHOWER」初登場のKEYTALKだ。気合い十分のメンバーはステージに飛び出すやいなやオーディエンスを煽りまくる。そして寺中友将(Vo, G)が「KEYTALKです。よろしく!」と叫ぶとバンドは「パラレル」でライブの口火を切った。オーディエンスは寺中、首藤義勝(Vo, B)、小野武正(G, Cho)、八木優樹(Dr, Cho)が生み出すパワフルなバンドサウンドを全身で受け止め、超満員のフィールドいっぱいに爆発的な盛り上がりが広がっていく。その光景を見たKEYTALKメンバーにも火がついたのか、ステージを所狭しと駆けまわり、トップギアのパフォーマンスで観客を魅了した。

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「楽しんでるか―い! 下北沢からやって参りましたKEYTALKです!」と挨拶すると、初日のSAKANAMONのステージにゲストとして登場した小野が「僕なんかね3日間来ちゃいましたからね」とリストバンドを自慢気に見せつける。ゴキゲンな小野はメンバー紹介と称して八木へとバトンを渡し、バンドは八木の巧みなドラムソロを経て「太陽系リフレイン」「fiction escape」といったキラーチューンを矢継ぎ早にドロップ。次々と繰り出される痛快なナンバーにオーディエンスは狂乱の様子を見せた。

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夏の終わりを惜しむように「MABOROSHI SUMMER」を届けたあと、小野は「深夜0時に重大な発表があるのでチェックしてね」と予告。場内の至る所から歓声が上がる中、彼らはエネルギッシュなプレイで「トラベリング」をフィールドへと発射! そしてラストに届けられた「夕映えの街、今」でFOREST STAGEのテンションをピークへと導くと、KEYTALKのステージは大盛況のうちにフィニッシュを迎えた。

セットリスト

01. パラレル
02. sympathy
03. 太陽系リフレイン
04. fiction escape
05. MABOROSHI SUMMER
06. トラベリング
07. 夕映えの街、今

赤い公園〜かよわき乙女Ver.〜

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最終日のWATERFRONT STAGEには、赤い公園が"かよわき乙女Ver."という名義のアコースティック編成で登場。あふれんばかりの人が着座した湖畔に、津野米咲(G, Key)、藤本ひかり(B)、歌川菜穂(Dr)がスタンバイし、ボーカルの佐藤千明がおもちゃのマイクを持って入っていった。佐藤が「あれ? すいません、マイク入ってないですー!」と彼女らしいボケをかまし、観客を和ませてからバンドは「絶対的な関係」を演奏し始めた。オリジナルよりテンポを落とし音数を減らすことで、楽曲の輪郭が際立ちリスナーの耳により深く届いていく。

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佐藤は「今日はアコースティックな感じでラフにやっていきたいと思ってるんですけど、最高のバケーションですね! ......? あ、最高のロケーションだ!」とコミカルなキャラクターを全開にしてみせる一方、曲では"かよわき乙女"らしい繊細な歌唱を披露。また、津野は1曲ごとにキーボードとエレクトリックギターを弾き分け、藤本はベースを使用しない曲では鈴を鳴らしながら前方に出て観客を盛り上げる。歌川はパーカッションセットで巧みなテクニックを披露するなど、4者4様のやり方で普段と異なる演奏環境を楽しんでいた。

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4人はニューアルバム「猛烈リトミック」から夏のために作ったという「サイダー」や、メジャーデビューミニアルバム「ランドリーで漂白を」収録の「ランドリー」など、新旧織り交ぜたセットリストを展開。ポップでちょっと奇形な赤い公園ならではの楽曲を新鮮な形で聴かせた最後は、スペシャルゲストの蔦谷好位置を呼び込んで彼がプロデュースした新曲「NOW ON AIR」を生共演した。

セットリスト

01. 絶対的な関係
02. サイダー
03. ナンバーシックス
04. カウンター
05. ランドリー
06. NOW ON AIR

NICO Touches the Walls

LAKESIDE STAGEの常連・NICO Touches the Wallsは、夕暮れ前の時間帯に登場した。メンバー自ら行うサウンドチェックではクラムボンの「君は僕のもの」をカバーしたり、「B.C.G」を軽くセッションしたりと続々と集まってくるオーディエンスにひと足早くパフォーマンスをプレゼントし、本番への期待を高めていく。

その後、SEもなく現れた4人は光村龍哉(Vo, G)の「みんな寒くないですか? 俺らのライブでいっちょ熱く盛り上がっちゃってください。山中湖、今年も最高の手拍子聴かせてください!」という言葉から「手をたたけ」で湖畔の気温を上昇させる。そこから古村大介(G)がエフェクターを駆使しながら多彩なギターを奏でるアッパーチューン「ニワカ雨ニモ負ケズ」、ライブの起爆剤とも言える「THE BUNGY」を投下し、熱狂の渦を拡大させた。途中で光村は「今年も最高だぜ、山中湖」と目の前の光景を見渡して満足げに笑い、「もっともっとぶっ飛んでいきませんか?」とさらなる盛り上がりを観客に求めた。

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そして対馬祥太郎(Dr)のスティックカウントから始まった「Mr.ECHO」で、空気は一変。富士山の麓というロケーションにぴったりなミディアムテンポのナンバーが、美しい景色を描き出していく。「雨が降ったらやらないと思ってたんだけど、天気がよかったのでやります。みんなのためにやります」という光村の言葉から続いた「夏の大三角形」では、坂倉心悟(B)のグルーヴィなベースが空気を伝い開放的な空間を作り上げた。

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光村は天気は持ったものの、富士山が見えない状況にほんのり悔しさをにじませ、「富士山をバックにこの曲をやろうと思ったんですけど、みんなが騒いでくれればそれでいいや」「みんなですさまじいサークルモッシュを起こして、雲を吹き飛ばしましょう。もし富士山が見られなくてもリベンジしますよ。この曲で壮絶なリベンジを果たしたいと思います」と宣言。2014年のNICO Touches the Wallsのライブアンセム「天地ガエシ」をエネルギッシュに奏で、巨大なサークルモッシュをフィールドに巻き起こす。気付けば会場の上を覆っていた雲は薄れていき、天候まで変えてしまうNICO Touches the Wallsの圧巻のパフォーマンスにオーディエンスは大きな拍手を贈った。

セットリスト

01. 手をたたけ
02. ニワカ雨ニモ負ケズ
03. THE BUNGY
04. Mr.ECHO
05. 夏の大三角形
06. 天地ガエシ