エレファントカシマシ

エレファントカシマシ、熱狂のステージで山中湖を制する

日もすっかり暮れ「SWEET LOVE SHOWER 2010」もいよいよ大詰め。今年の大トリ、エレファントカシマシは、若手に負けず劣らずの暴れっぷりと最強のセットリストで、2日間にわたる祝祭空間のフィナーレを飾った。

定刻を迎え、ステージに現れた宮本浩次(Vo)は「イェーイ、エブリバディ!」といつものように叫び、アコースティックギターを抱えると「今宵の月のように」を歌い始めた。いきなりの名曲披露にどよめき、うれしそうな表情を見せる観客たち。その心は、ライブ序盤にして早くもひとつになった。

宮本が「最後まで残ってるみんなは偉いぞ! 夏の総仕上げだエブリバディ!」と話した後に演奏されたのは「悲しみの果て」。石森敏行(G)の哀切たっぷりのギターが、涼しくなった湖畔にこだまする。しかし一筋縄ではいかないエレカシらしく、次の曲は「先立つものがないとね。金だよ、金!」と場の空気をひっくり返す「デーデ」。赤裸々な歌詞に共鳴するように、数多くの拳が夜空に突き上げられた。

そして新曲「明日への記憶」を経て、「笑顔の未来へ」「いつか見た夢を」といったエレカシ節全開のロックチューンを連発。熱いボーカルと小気味よいギターのフレーズ、冨永義之(Dr)と高緑成治(B)の刻む重いリズムが、フィールドに集まった幅広い層のファンを圧倒していく。

ライブ終盤を盛り上げたのは、扇情的なメッセージが胸を刺す「ガストロンジャー」と、宮本がステージを走り回って歌った「ファイティングマン」。エレファントカシマシの攻撃性を露わにしたこの2曲は、オーディエンスの心に火をつけ、熱気あふれる中でライブ本編は終了した。

だがアンコールを求める拍手に導かれ、メンバーたちはすぐさまステージに戻ってくる。まずは「懐かしい曲を……」と1日の終わりにふさわしい「風に吹かれて」を熱演。続けて「俺たちの明日」が始まるとフィールドからは「わあ!」っと大きな歓声が起こる。「さあがんばろうぜ」と、明日への活力を与えてくれるパワフルな曲を、集まった観客は全身で受け止めた。

歌い終えた宮本がギターをステージに置き、感動的なムードの中でライブが終わるかと思いきや、ステージ上の空気はラストナンバー「待つ男」で変貌。観客は怒気を含んだ絶唱と激しい音像に気おされるようにその場に立ち尽くした。ラストの強烈すぎるパフォーマンスは、ライブ直後に上がった美しい花火とともに、多くの人の記憶に刻まれたことだろう。


セットリスト
M-1. 今宵の月のように
M-2. 俺の道
M-3. 悲しみの果て
M-4. デーデ
M-5. 明日への記憶
M-6. 笑顔の未来へ
M-7. いつか見た夢を
M-8. ガストロンジャー
M-9. ファイティングマン
EN-10. 風に吹かれて
EN-11. 俺たちの明日
EN-12. 待つ男

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