秦 基博、満員のフィールドを包み込んだ優しい歌声
昨年の「SWEET LOVE SHOWER」での弾き語りスタイルとは異なり、キーボードを含む4人のバンドメンバーとともに、伸びやかな歌声を聴かせてくれたのは秦 基博。「よろしくお願いします!」と元気いっぱいにMt.FUJI STAGEに現れた彼は、ドラマチックなアレンジに生まれ変わった「鱗(うろこ)」でライブの幕開けを飾った。
野外に似合う広がりのある楽曲は、たちまち会場に気持ちのいい空気を送り込む。続いて「みんな楽しまないと終わっちゃうぞ!」と控えめな煽りで「今日もきっと」へ。彼の繊細さと力強さの両面を味わえるナンバーを、オーディエンスは体を揺らしながら味わっていた。
「『SWEET LOVE SHOWER』ってことで、非常にスイートな曲をやりたいと思います」と照れくさそうに言った後、「アイ」を情感を込めて歌い上げた秦。スクリーンに映し出される優しい表情には、大観衆を抱擁するような温かな感情がにじみでていた。そして「富士の麓で皆に聴いてほしい新曲があるんで……」と始まったミディアムテンポの新曲「ドキュメンタリー」を披露した後は、昨年スペースシャワーTVの20周年を記念して作られたアニバーサリーソング「サークルズ」。音楽を介してオーディエンスと出会えた喜びを歌った楽曲は、その場に集まったファンにとって最高のプレゼントとなったことだろう。
ラストナンバー「メトロ・フィルム」を歌い終えると秦は「ありがとう」と挨拶し、観客に向かって何度も手を振る。ステージから誰もいなくなった後も、秦のキャラクターを感じさせるハートフルなステージに、惜しみない拍手が贈られた。
セットリスト
M-1. 鱗(うろこ)
M-2. 今日もきっと
M-3. アイ
M-4. ドキュメンタリー
M-5. サークルズ
M-6. メトロ・フィルム